こんにちは!ふくすけです。
以前、カーボローディングの効果についてブログ記事を書きました。
カーボローディングはマラソンや持久系スポーツで広く推奨されていますが、その効果に疑問を抱く「否定派」も少なからず存在します。
彼らはカーボローディングが必ずしもパフォーマンスを向上させるとは限らず、特に体質や準備方法によってはデメリットが大きいと指摘しています。
今回はカーボローディング否定派の意見と、否定派の人たちがどのような代替戦略をとっているのかを解説します。
個人的にはカーボローディング肯定派なのですが、逆の意見を知っておくことも大切です。
最新の研究結果も含めて否定派の意見をまとめますので、ぜひ参考にしてください!
カーボローディングのリスクとデメリット
カーボローディング否定派の主張は主に以下の2点です。
体重増加の懸念
カーボローディング反対派の1つの主張は、炭水化物を過剰に摂取することで体重が増え、逆にパフォーマンスが低下するというものです。
炭水化物は体内に水分を引き込むため、グリコーゲンが蓄えられると同時に体重も増加します。この増加した体重がレース中に余分な負荷となり、特に体重の増加に敏感なランナーには不利に働くことがあります。
実際に、体重が数キロ増加した結果、体が重く感じられ、予定していたペースで走れなかったという経験談も報告されています。私自身もこれを感じたことはあります。
消化器系のトラブルが起こるリスク
カーボローディング中に急激に食事内容を変えることで、消化不良や胃もたれ、下痢などの消化器トラブルが起こるリスクもあります。
特に、食事量が増えたり、普段摂らない食品を取り入れると消化器系に負担をかけ、レース当日に体調不良を引き起こす可能性があります。
この2つの主張については、どちらも適切なカーボローディングを行えば防げるリスクですね。
確かに炭水化物と水分によって体重増加は起きますが、水分はレース中に体外に排出されていきますので、最終的には問題ありません。
消化器系のトラブルに関しても、食事内容に気をつけたり、総摂取カロリーを適切にコントロールすることで防げることです。
科学的データに基づく反対意見
カーボローディングに関する新しい研究結果によって、カーボローディングの有効性や効果に疑問を投げかけるデータも増えてきました。以下が主なデータです
日本人の体質や食生活に関するデータ
日本人の食生活は元々炭水化物が多いため、さらに増やす必要性が低いという意見があります。
また、日本人は欧米人と比べて、インスリンの分泌能力が弱く、カーボローディングによって食後高血糖を起こしやすい可能性があると言われています。食後に急激な血糖値の上昇が起こると、その後は急降下が起きます。
アスリートを対象とした研究では、食後高血糖の後に血糖値の低下により低血糖になっている選手もいたようです。これはアスリートにとって大きなパフォーマンス低下に繋がります。
ファットアダプト食事法
ファットアダプトとは、脂質をエネルギー源として効率的に利用できる状態に適応させる食事法です。サッカーの長友選手が行っていることで有名です。
糖質の摂取を控え、良質な脂質とタンパク質を中心とした食事を摂ることで、体を「脂質適応状態」にします。その結果、体脂肪を燃焼しやすい体質になると言われています。
糖質(炭水化物)、タンパク質は1gあたり4kcal、脂質は1gあたり9kcalのエネルギーを生成します。脂質をエネルギー源として活用しやすい身体になると、効率よく身体に蓄えられたエネルギーを使うことができ、持久系のスポーツにおけるパフォーマンス向上が見込めます。
ファットアダプト食事法を行っている人にとって、カーボローディングは目的と真逆の効果を狙う方法になってしまいます。
ちなみに、長期的にファットアダプトを行っているアスリートと、カーボローディングを行ったアスリートの間で、筋肉内のグリコーゲンの量に差がでなかったという研究結果もあります。
糖質(炭水化物)をエネルギー源として活用できる時間
ファットアダプトを行っているアスリートは競技中に安定して脂質を主なエネルギー源として活用できていたという研究結果があります。
つまり脂質を安定的にエネルギー源として活用できる身体になっていたということです。
一方、カーボローディングを行ったアスリートは、確かに主なエネルギー源として糖質を利用していたのですが、運動中に徐々にエネルギー源を脂質にシフトさせていたことがわかりました。筋肉中に蓄えられているグリコーゲンだけだとエネルギー量に限界がありますからね。
カーボローディングをしているアスリートでも3時間安定して糖質にエネルギー源を頼ることはできていなかったということです。ここから脂質代謝の重要性を感じることができます。
カーボローディングが適さないケース
そもそもカーボローディングは適切に行われなければ効果を発揮することができません。
カーボローディングの手法だけでなく、競技特性や体質についても向き不向きがありますので、ここにも気をつけなければなりません。
カーボローディングが適さないケースは以下の通りです。
短時間の競技
一般に2時間未満の競技では、カーボローディングは不要と言われています。通常のグリコーゲン量で十分とされています。
初心者の方だとハーフマラソンで2時間以上かかることが多いと思います。しかし、私の場合、1時間30分かからないのでカーボローディングは不要になります。いつも通りの食生活を送っていた方が体調が整うでしょう。
球技でも、サッカーやバスケなどはギリギリのラインですかね。野球は2時間以上かかりますが、持久系スポーツではないのでカーボローディングは不要です。
体質的に合わない
以下の症状や体質のある人にはカーボローディングが適しません。
糖尿病や高脂血症の人
カーボローディングは血糖値に影響を与えるため、これらの疾患を持つ人には健康上のリスクがあります。
胃腸の不調がある人
大量の炭水化物摂取により、胃腸の不快感、痙攣、ガスの発生などの副作用が起こる可能性があります。
インスリン分泌能力が低い人
食後高血糖が起こりやすい人です。前述したファットアダプトの方が適している可能性があります。
高繊維食品に敏感な人
カーボローディング中に高繊維食品を摂取すると、腹痛やガスの問題が起こる可能性があります。
トレーニング量が少ない人
これは体質ではありませんが、体重増加のリスクが高まるため、長期間のカーボローディングは逆効果になる可能性があります。適切な食事管理が必要です。
カーボローディングを行わない場合の成功例
カーボローディングを行わなくても成功を収めているランナーは数多くいます。
例えば、特定のエリートランナーは、通常の食事を維持したまま、脂質やタンパク質のバランスを整えることで、エネルギー切れを防いでいます。彼らは、自分の体質やレースのニーズに合わせた食事法を実践し、レース本番で優れたパフォーマンスを発揮しています。
このようなランナーたちは、カーボローディングのような急激な食事法よりも、安定した栄養摂取とトレーニングを重視しています。カーボローディングに頼らずとも、日々のトレーニングとバランスの取れた食事で十分なエネルギーを供給できるという考え方です。
まとめ:カーボローディング反対派の意見に対する結論
カーボローディングには確かに多くのメリットがあるとされていますが、反対派の主張にも一定の根拠があります。特に、最近はファットアダプトという考え方が主流になりつつあります。フルマラソンランナーにとって、脂質代謝優位の身体を作ることができたら最高ですからね。
ただ、個人的には糖質制限というのは好きではありません。脳のエネルギー源である糖質を減らすことで、普段の仕事のパフォーマンスが下がってしまいそうで・・・
また、良質な脂質やタンパク質を多めに摂取する食事は胃に負担がかかりすぎるので、胃もたれしやすい私には向いていないかなと思っています。
カーボローディングも個々の体質によって向き不向きがありますが、ファットアダプトも同じことが言えそうです。
しかし、今後カーボローディングで限界を感じたらファットアダプトを試してみようかなとも思っています。ファットアダプト食事法のやり方についても今後ブログで紹介していきたいと思います。
すべてのランナーにとって最適な方法というものは存在せず、自分に合った食事法を見つけることが、ベストなパフォーマンスを発揮するための鍵となるでしょう。
この記事が自分にあった調整方法を見つける参考になれば嬉しいです!
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