こんにちは!ふくすけです。
今回はカーボローディングの正しいやり方や注意点について紹介します。
1度は名前を聞いたことがあるという方も多いカーボローディングですが、意外と正しいやり方は知られていないような気がします。
特にランニング初心者で、フルマラソン完走を目指している方や、完走まで4時間以上かかる方には必見の内容です!
カーボローディングとは?
カーボローディング(Carbohydrate Loading)は、マラソンや他の持久系スポーツに向けて体内のグリコーゲン(エネルギー源)を最大限に蓄えるために行う食事法です。主に炭水化物を多く摂取することで、筋肉内のエネルギーを満タンにし、長時間の運動に耐えられるように準備します。
フルマラソンは長時間にわたるエネルギー消費が求められます。そのため、グリコーゲンの蓄えが少ないと途中でバテてしまう可能性が高くなります。カーボローディングは、そんなスタミナ切れを防ぐための準備なのです。
カーボローディングが必要な理由
私たちが運動する際、主にグリコーゲンがエネルギー源として消費されます。
我々の骨格筋に貯蔵されているグリコーゲンの量はおよそ400g程度と言われています。グリコーゲン1gで約4kcalのエネルギーを生み出しますので、400gだと約1600kcalに相当します。
では、我々がフルマラソンを走る際に消費するエネルギーはどのくらいでしょうか?
一般的にランニングにおける消費カロリーは「体重×走行距離(km)」で計算できると言われています。体重60kgの方の場合、60×42=約2520kcal を消費するということです。
正確にはグリコーゲンだけでなく脂質もいくらかエネルギー源として使われるのですが、体内のグリコーゲン貯蔵量だけではフルマラソンを走り切るために必要なエネルギーを賄うことができません。
カーボローディングを行うことで、グリコーゲンの貯蔵量を通常の2倍にまで増やすことができると言われています。400gの2倍の800gのグリコーゲンを貯蔵できれば、3200kcalのエネルギーを生み出せます。
これがフルマラソン前にカーボローディングが必要である理由です。
カーボローディングの目的と効果
カーボローディングの主な目的は骨格筋に貯蔵するグリコーゲンの量を増やすことです。
前述した通り、フルマラソンで消費するカロリー以上のエネルギーを体内に貯蔵できていると、以下のような効果があります。
・レース途中でのエネルギー切れを防ぐことができる
・フィニッシュまで安定したペースを維持できる
・精神的に落ち着くことができる
エネルギーが枯渇すると、「ハンガーノック」という状態になることがあります。極端なエネルギー不足のために身体に力が入らなくなる状態です。ハンガーノックになるとパフォーマンス維持ができなくなるだけでなく、自分の健康を害することにもつながりますので、絶対に避けたいですね。
また、カーボローディングをすることで、「いつも以上にエネルギーが蓄えられている」という自信から精神的に落ち着いてレースに望むことができます。
カーボローディングの基本的なやり方
カーボローディングには「古典法」と呼ばれる方法と「改良法」と呼ばれる方法があります。
ざっくりとした説明になりますが、古典法は、事前に体内のエネルギーを枯渇させてから大量のグリコーゲンを摂取するという方法です。
かつてはこの方法でカーボローディングが行われていましたが、身体にかかる負担が大きすぎるため、今では改良法で行うことが一般的です。
改良法のカーボローディングの基本的なやり方は以下の通りです。
タイミング
レース3日前から開始します。例えば日曜日がレースなら木曜日の食事から変えていきます。
食事内容
ご飯、パン、麺類などの炭水化物を中心とした食事を中心にします。目安として、食事から得るカロリーの7〜8割程度を炭水化物から摂取するくらいに調整します。
注意点
カロリー総摂取量は変えない
炭水化物の量を増やすことで、食事量自体が増えてしまう可能性があります。摂取カロリーが増えてしまうと、レース当日に身体が重く感じてしまうかもしれません。実際、これは私も失敗したことがあります。
炭水化物を増やした分、他のエネルギーの摂取量は減らしましょう。ただ、脂質やタンパク質は必須の栄養素なので摂取しないことはおすすめしません。
生もの、食べ慣れないものは控える
カーボローディング中ということは、レース直前の時期ということですね。ですので生野菜や刺身など、体を冷やしたりお腹の調子が悪くなったりする可能性のあるものは避けましょう。
また、普段食べ慣れないものは、身体にどのような影響が出るかわかりませんから気をつけた方がよいです。
クエン酸を含む果物や100%オレンジジュースを添えると効果的
クエン酸はグリコーゲンの貯蔵の効率を高めてくれます。疲労回復効果もありますので、レース前のコンディショニングにも最適です。
グリコーゲンの貯蔵には水分も必要ですから、どちらも含まれている100%オレンジジュースは非常におすすめです。
カーボローディングに関するよくある誤解
誤解1:単に食事量を増やせば良い
食事の「量」ではなく、「割合」を増やすことが重要です。総摂取カロリーは変えず、全体の7〜8割のエネルギーを炭水化物から摂取することを心がけましょう。
誤解2:競技直前に大量の炭水化物を摂取すれば良い
直前に大量の炭水化物を摂取しても効果は限定的です。徐々に体内のグリコーゲン量を増やしていく必要がありますので、3日前から計画的に食事の内容を変えていきましょう。
あまりに早い段階からカーボローディングを始めるのも、栄養バランス的にあまりよくありません。「過ぎたるは及ばざるが如し」です。
誤解3:どんな競技でもカーボローディングは効果的
カーボローディングは主に1.5〜2時間以上続く持久系競技に効果があります。私は学生時代に野球をやっていましたが、野球のように瞬発系の力が求められる競技にはカーボローディングは必要ありません。
同じ長距離種目でも、5kmや10kmのレースに出場する場合は不要です。ハーフマラソンだと、完走まで2時間以上かかるランナーは効果があると思いますが、それより短時間でゴールできるランナーにはあまり効果が期待できないでしょう。
誤解4:カーボローディングで太ってしまい、パフォーマンスが低下する
半分は誤解です。正しくカーボローディングを行えば総摂取カロリーは変わりませんから太ることはありません。仮に食べ過ぎたとしても、3日間で大幅に身体に脂肪がつくこともありません。ただ、私の経験上、身体が重く感じたり、メンタル的に悪影響があったりはします。また、食べ過ぎで胃もたれによる悪影響には注意しなければなりません。
実際、カーボローディングによる体重増加の多くは水分によるもので、一時的なものです。長時間の競技では、この追加の水分と糖質(グリコーゲン)が有利に働きます。
まとめ カーボローディングを成功させるために
いかがだったでしょうか。
実はカーボローディングには肯定派と否定派がいます。「カーボローディングなんて必要ない」という意見も存在します。
個人的には、根拠の多くは、適切なカーボローディングが行われなかった場合に起きるリスクについて述べたものかなと感じます。
カーボローディングのメリット、デメリットや、否定派の見解などについては、また別のブログ記事でまとめようと思います。
今後さらに研究が進むことによって異なる見解が生まれてくるかもしれませんから、何が真実なのかはわかりません。
しかし、私は今までレース前にカーボローディングを含め適切な調整を行うことで、練習では絶対に出せないであろうパフォーマンスをレース本番で発揮してきました。
その上で、カーボローディングは特にランニング初心者の方におすすめしたいと感じています。
参考になれば嬉しいです!
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