こんにちは!ふくすけです。
今回はピッチ走法とストライド走法について考察してみます。
ピッチとは、足の回転数のこと。ストライドとは1歩で進む歩幅のことです。
回転数が多く、ストライドが狭い走り方をピッチ走法といい、逆に回転数が少なく、ストライドが広い走り方をストライド走法と言います。
ピッチ走法とストライド走法の特徴
ピッチ走法とストライド走法それぞれの特徴を一緒に見ていきましょう。
ピッチ走法
歩幅が小さく、足の回転数(ピッチ)が多い走り方で、1分間に160〜180回程度の着地を目安とします。
この走法は衝撃が少なく、筋肉への負担が軽減されるため、故障のリスクが低く、長距離走に適しています。
ストライド走法
歩幅が大きく、足の回転数が少ない走り方です。
ピッチ走法と比較すると、1歩あたりの距離が長く、スピードが出しやすいため、短距離走に適しています。ただし、衝撃や筋肉への負荷が大きいため、強靭な体が必要です。
マラソンのスピード
マラソンのスピードは「ピッチ(1分間の歩数)×ストライド(1歩の歩幅)」で決まります。両方を高めれば当然スピードも上がりますが、両方を極端に上げると短距離走に近くなってしまいます。そのため、ランニングエコノミー(効率的な走り方)を高めるためには、自分に合った適切なピッチとストライドを見つけることが重要です。
一般的に、経験豊富なランナーは自分に合ったピッチとストライドで走っていますが、初心者の方はまだピンときていない場合が多いかもしれませんね。
有名選手の走法例
ピッチ走法で知られる選手には、オリンピック金メダリストの野口みずき選手や高橋尚子選手が挙げられます。男性では、大迫傑選手もピッチ走法のランナーとして有名です。
一方、ストライド走法で有名な選手には、エリウド・キプチョゲ選手やポーラ・ラドクリフ選手といった海外のトップランナーがいます。
ピッチ走法とストライド走法のメリット
ピッチ走法のメリット
- 足への負担が少ない
ストライドを小さくすることで身体の上下動が抑えられ、接地時の衝撃が軽減されます。そのため、足への負担が少なくなります。筋持久力が不足している方や足を怪我しやすい方は、ピッチ走法を取り入れることで怪我のリスクを下げられるかもしれません。 - エネルギー効率が良い
上下動が少ない分、1歩ごとのエネルギー消費も少なく抑えられます。こうした特性から、ピッチ走法はランニングエコノミーに優れた走り方とされています。 - リズムに乗りやすい
ピッチが多いためテンポよく走りやすく、ストライド走法と比べて速度の調整もしやすくなります。また、坂道や急カーブでの身体のコントロールが容易になり、レース後半で疲労が蓄積した際にもペースを保ちやすいのが特徴です。
ストライド走法のメリット
- スピードを出しやすい
1歩あたりのエネルギーは大きくなりますが、歩幅が広いためスピードが出やすくなります。特に力強いランナーはストライドが広がりやすい傾向があるため、スピードを上げたい場合はストライド走法が適しています。 - 心拍数の上昇を抑えやすい
ピッチ走法に比べると足への負担は増えますが、足の回転数が少ない分、心拍数の上昇を抑えやすいとされています。 - 筋力のある人に適している
ストライドを広げるためには足の筋力が必要です。筋力があるランナーは、ストライド走法で力強く前進することができます。海外の選手にストライド走法が多いのも、筋力的に優れているためかもしれません。
ふくすけの体験談
最初は何も考えずに走っていた
フルマラソン完走を目指してランニングを始めた頃、特に走り方を意識せず、1kmを7分弱のペースで淡々と走っていました。
河川敷の土手や公園でランニングしていると、明らかに還暦を過ぎたベテランランナーの方々が颯爽と抜いていき、彼らは私よりもずっと速いピッチで走っていました。市民ランナーの多くがピッチ走法を採用していることに気づかされた瞬間です。
ピッチを上げることを意識した結果
1kmを6分30秒ペースで10km、20kmと走れるようになった頃、試しにピッチを上げて走ってみました。
それまで1分間に160程度だったピッチを170〜180に意識的に増やし、ストライドを少し縮め、感覚的な強度は変えないように調整しました。
その結果、同じような疲労感で1kmを6分10〜20秒で走ることができました。この経験を通して、ピッチを上げる走り方が自分に合っていると実感しました。
「ちょこちょこ走り」の限界
フルマラソン完走を果たし、さらにサブ4、サブ3.5、サブ3を目指す中で、ピッチ走法の限界も感じるようになりました。
スピードのあるランナーたちは、ちょこちょこ走りではなく、ダイナミックなフォームで力強く進んでいきます。サブ3.5を目指すレベルならピッチ走法でも対応できますが、サブ3を目指す場合は、ピッチを維持しつつある程度のストライドも必要だと感じました。
今は、自分に合ったピッチとストライドのバランスを見直しています。
ストライドを上げた場合
スピード練習で意識的にストライドを広げてみました。
以前よりも足の筋力がついたため、リラックスしながらペースを上げることができ、タイムの向上も期待できると感じました。しかし、ストライドを広げると足への疲労感が増し、疲労後はペースダウンが顕著になります。足が重くなってくると、そのままペース低下を受け入れるしかない印象を受けました。
ピッチを上げた場合
もともとピッチ走法で走っている私ですが、スピード練習ではさらにピッチを上げてみました。
ストライドを広げない分、筋力の消耗は少なく済みますが、回転数が多いため股関節に疲労が溜まる感覚があり、心拍数も上がりやすくなりました。しかし、疲労が溜まって足が重くなってもペースを落とさずに対応できる点は利点です。ペースダウンが比較的緩やかで、疲労を感じた後も粘り強く走ることができました。
結論:フルマラソンに向いている走法は
初心者はまずピッチ走法
ランニング初心者の多くは足の筋力や持久力が不足している傾向があります。
フルマラソンで大きくペースを落とさずに完走するためには、まずはスピードよりも筋持続力が重要です。ピッチ走法で細かく走ることで足への負担を軽減でき、最後まで走り切れる可能性が高くなります。特に後半に苦しくなったときにピッチを維持する意識を持つと、大幅なペースダウンを防ぐことができます。筋力が少ない方は、意識的にピッチを上げ、そのリズムに慣れることをおすすめします。
タイムを求めるならストライドを伸ばす
初心者がピッチ走法を意識した場合、ピッチは1分間に180〜190程度になるでしょう。そこからタイムをさらに上げるには、ピッチを200にする方法もありますが、極端にピッチを上げるのは非効率です。
スピードはピッチ×ストライドで決まるため、効率よくスピードを上げるにはストライドを少しずつ広げていくのがポイントです。その際、ピッチを落とさないよう意識し、現在のピッチを維持しつつストライドを広げることで、無理なくタイムアップを図れます。ストライドを広げるためにピッチを下げるのは避けた方が良いでしょう。
ピッチを意識すべきタイミング
1. レース後半
レース後半では足が重くなり、自然とペースが落ちがちです。ペースが落ちるとピッチも下がる傾向にありますが、ピッチを保つことで大幅なペースダウンを防ぐことができます。特に苦しい場面では、ストライドを少し犠牲にしてでもピッチを落とさないように意識しましょう。
2. 上り坂
上り坂では平地に比べて足への負荷が増し、ピッチもストライドも落ちやすくなります。上り坂でペースを維持するためには、ストライドを保とうとすると筋肉に負担がかかりやすいため、ピッチを落とさないよう意識するのが効果的です。
3. 下り坂
意外にも下り坂は足への負担が大きく、自然にペースが上がることで負荷がかかります。接地時に足でブレーキをかけることが多く、足へのダメージを防ぐためにはストライドを広げるのではなく、ピッチを上げることで負担を軽減しつつスピードを抑えると良いでしょう。
4. 折り返し
ハーフマラソンやフルマラソンには折り返し地点がいくつかあります。ストライド走法では、折り返しの際に小回りが利かず、急カーブで足への負担も増します。ピッチを上げてスピードを調整しながら折り返すことで、効率的に走行を続けることができます。
まとめ
いかがでしたか?ピッチ走法とストライド走法、どちらも魅力があり、どちらを選ぶかはあなた次第です。あなたのランニングスタイルや目指すゴールに合わせて、ピッチとストライドをうまく組み合わせて、自分だけの走法を見つけていきましょう!
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