ピッチとストライド、どっちを意識して走ればいいの?
そもそも自分は、ピッチ型? それともストライド型?
ランニングに慣れてくると、こんな疑問がわいてきますよね。
私も走り始めた頃は、同じところで迷いました。
テレビで見る男性のトップ選手は、大きなストライドで力感なくスピードを上げていきます。
一方で、高橋尚子さんのように速いピッチで世界一になった選手もいる。
どちらを目指せばいいのか、正直わからなかったんです。

こんにちは。まちすけです。10年以上運動ゼロだった私は、34歳で初めてフルマラソンを完走しました。
そこから8年かけて、キロ7分台からキロ4分前半まで走れるようになり、今はサブ3を目指しています。
この記事は、ピッチとストライドのどちらを意識すればいいか迷っている初心者ランナーさんに向けて、私の実測データをもとに考え方をお伝えするものです。
初めてのフルマラソンに向けて練習していた頃、ピッチを1分間に160から170〜180へ上げただけで、同じキツさのまま1kmあたり10〜20秒速くなりました。
その後もタイムが上がるたびにピッチは上がり、自己ベストの3時間2分14秒を出したときは190前半でした。
この記事では、初マラソンから自己ベストまでのピッチをタイムと一緒にすべて公開します。
Apple Watchの数字から歩幅を計算してみた結果や、自作のBPM音楽を使ったピッチの上げ方、後半に撃沈したレースでピッチがどう落ちたかも紹介します。
先にお伝えしておくと、初心者の方は、自分がどっちのタイプかを診断する必要はありません。
まずはピッチを上げてください。
読み終える頃には、今の自分のピッチと、次に何歩を目指せばいいかが分かるはずです。
この記事が、あなたのランニングに役立てば幸いです。
結論|迷ったらピッチ
- 初心者・アラフォーランナーは、タイプを診断するより、まずピッチを上げる
- ストライドは筋力がないと広げられず、疲労が早く来る
- 私の実測:初フル4時間24分で170後半 → サブ3目前で190前半
- ピッチを上げる方法は、BPMの速い音楽に合わせて走ること
- ストライドは練習で意識し、レース本番では意識しない
マラソンのスピードは「ピッチ(1分間の歩数)× ストライド(1歩の歩幅)」で決まります。
どちらを伸ばしても速くはなりますが、私たちアラフォーが手をつけやすいのは、ピッチの方なんです。

ちょこちょこ走るより、大股のほうが速そうに見えるけどな。

見た目はね。でも大股は筋力を使うんだ。俺みたいに大人になってから走り始めた人間は、まずピッチを上げる方が確実に効くよ。
ピッチ走法とストライド走法の違い
①ピッチ走法とは
歩幅が小さく、足の回転数が多い走り方です。
目安としては、1分間に180〜200回程度の着地とされていますが、絶対的な基準ではありません。
身長やペース、足の長さなどによって、適正な値は変わります。
上下動が小さくなるため接地の衝撃が軽く、足への負担が少ないのが特徴です。
エネルギー消費も抑えられるので、長距離向きの走り方だと言われています。
リズムに乗りやすいのも利点です。
テンポよく走れるので速度の調整がしやすく、坂道やカーブでも体をコントロールしやすい。
レース後半に疲労が溜まってからも、ペースを保ちやすくなります。
もう1つ見逃せないのが、故障のリスクです。
着地の衝撃が小さいということは、膝や足首への負担も少ないということ。
走る量を増やしていく段階では、この差が積み重なって効いてきます。
日本の有名選手では、高橋尚子選手や鈴木健吾選手がピッチ走法で知られています。

②ストライド走法とは
歩幅が大きく、足の回転数が少ない走り方です。
1歩あたりの距離が長いぶん、スピードが出しやすくなります。
目安としては、1歩の幅が身長の90%以上とされています。
足の回転数が少ないため、心拍数の上昇を抑えやすいという利点もあります。
ただし衝撃や筋肉への負荷が大きく、強い脚が必要になります。
日本の有名選手では、野口みずき選手や大迫傑選手がストライド走法で知られています。
海外のトップランナーにストライド走法が多いのは、筋力的に恵まれているからかもしれません。

③どちらが正解なのか
どちらが正解ということはありません。大切なのは、自分に合ったピッチとストライドのバランスを見つけることです。
ただ、これは経験を積んだランナーの話です。
走り始めたばかりの方や、私のようにアラフォーから始めた人間にとっては、選ぶべき道はもっとシンプルだと思っています。
足の筋力に自信がなければ、まずピッチを上げる。これが私の答えです。
ストライドを広げるには筋力が必要ですが、ピッチを上げるのに特別な筋力は要りません。
自分はどっち?と迷ったら
①初心者に診断はいらない
「自分はピッチ型なのか、ストライド型なのか」
気になりますよね。
ネットで調べると、チェックリストで判定する診断のようなものも見つかります。
でも私は、初心者の方は自分がどちらのタイプかを診断しなくていいと思っています。
理由はシンプルで、どちらのタイプだったとしても、まずはピッチを上げる方向で問題ないからです。
ストライドを広げて走るには、それに耐えられる脚の筋力が必要です。
走り始めたばかりの脚には、まだその筋力がありません。
仮に「ストライド型」と判定されたとしても、筋力がないまま大股で走れば、着地の衝撃で脚を痛めやすくなります。
タイプを診断して悩むより、ピッチを上げることから始める。その方が、遠回りせずに速くなれると思います。
②例外は陸上経験者
例外があるとすれば、学生時代に陸上競技で長距離をやっていた方のように、走り始める前から脚の筋力がある人です。
そういう方なら、ストライド走法でも問題ないかもしれません。
ただ、その方はもう「初心者」ではないですよね。
この記事は、私のように運動から離れていた状態で走り始めた方に向けて書いています。
③今の歩幅は計算で確かめられる
タイプを診断する代わりにおすすめしたいのが、今の自分のピッチと歩幅を知ることです。
歩幅は時計に表示されなくても、ペースとピッチから計算できます。
私がピッチ走法のままフルマラソンを3時間2分で走ったとき、歩幅は身長の73%でした。
ストライド走法の目安の90%には、まったく届いていません。
計算の方法と、私の歩幅の変化は、後半の「ピッチと歩幅の測り方」で紹介します。

じゃあ、背が高い人もストライド走法で走らない方がいいの?

初心者のうちはね。背が高い人は、ピッチを上げても歩幅はもともと大きいから心配いらないよ。よくないのは、ストライドを「意識して作る」こと。着地が体より前になって、ブレーキになっちゃうんだ。
タイム別のピッチ実測
ここからは、私自身のピッチを、タイムの変遷とあわせて公開します。
| 時期・レース | タイム | ピッチ(1分間) |
|---|---|---|
| 初フルマラソン(34歳) | 4時間24分 | 170後半 |
| 2回目のフル(サブ3.5達成) | 3時間24分 | 180後半 |
| 自己ベスト(2025年12月) | 3時間2分14秒 | 190前半 |
| ハーフマラソン(キロ3分50秒) | 1時間23分28秒 | 190後半 |
| 普段のジョグ | — | 170〜180 |
タイムが上がるにつれて、ピッチも上がっていますよね。
意識して上げた部分もありますが、ペースが上がれば自然と回転数も上がる、という側面もあります。
①走り始めた頃は160だった
走り始めた頃は、フォームのことなど何も考えていませんでした。
キロ7分くらいのペースで、ただ淡々と走っていただけです。
転機は、河川敷や公園で走っているときでした。
明らかに還暦を過ぎたベテランランナーの方々が、私を颯爽と抜いていくんです。
しかも彼らは、私よりもずっと速いピッチで足を動かしていました。
市民ランナーの多くはピッチ走法で走っている。そのことに気づかされた瞬間でした。
それまでは、ストライドを伸ばして颯爽と走る方が速いのだと思い込んでいたんです。
テレビで見る男性のトップランナーが、そういう走りをしていたからです。
でも実際に自分の周りにいる市民ランナーの方は、ほとんどが私より速いピッチで走っていました。

これは頑張ってキロ6分半を切るくらいで走った日。2019年5月頃。
平均ピッチは163でした。(「ケイデンス」というのがピッチです)
②170→180で20秒速くなった
キロ6分30秒で10km、20kmと走れるようになった頃、試しにピッチを上げてみました。
それまで1分間に160程度だったピッチを、意識的に170〜180へ。
ストライドは少し縮めて、感覚的なキツさは変えないように調整しました。
結果、同じような疲労感のまま、キロ6分10〜20秒で走れるようになったんです。
1kmあたり10〜20秒の短縮です。この経験で、ピッチを上げる走り方が自分に合っていると感じました。
特別な筋トレをしたわけでも、練習量を増やしたわけでもありません。
足の回転を速くしただけで、これだけ変わりました。
なぜこうなるのか。上下動が減ったぶん、エネルギーの無駄が少なくなったからだと考えています。
大股で走ると体は上下に大きく揺れますが、その上下動に使われるエネルギーは、前へ進むためには役立ちません。
ピッチを上げて歩幅を狭くすると、この無駄が減ります。
同じエネルギーで、より前へ進めるようになるということですね。

2019年12月、初フルマラソンのさいたま国際マラソンのデータ。
平均ピッチは174でした。5月と同じくらいのペースでも、ピッチが上がっています。
ピッチを上げる3つの方法
①BPMの速い音楽を使う
私が実際にやったのは、BPMの速い音楽を聴きながら、そのリズムに足を合わせて走るという方法です。
頭で「速く足を動かそう」と考えるより、音のリズムに乗る方がはるかに簡単でした。
意識しなくても、勝手に足がテンポに合っていきます。
どのくらいの期間で身についたかは、正直覚えていません。
気づいたときには、無意識のうちにピッチが速くなっていました。
それくらい自然に変わっていったということです。
目安としては、目指したいピッチと同じBPMの曲を選びます。
180歩を目指すならBPM180の曲、という具合です。
1歩ごとにビートが刻まれるので、体が勝手に合わせにいきます。
ただし、音楽を聴きながら走ると、周囲の音が聞こえにくくなるという危険もあります。
交通量のある道路では音量を絞る、片耳だけにするなど、安全への配慮は必要です。
大会によっては使用が禁止されていることもあります。
ちなみに私は、安定したピッチで走れるよう、自分で音楽を作ってしまいました。
若干誤差はありますが、170 , 180 , 190 のBPMになるように作ったプレイリストもあります。よかったらぜひ聴いてみてください!

ピッチ180って、どのくらいの速さなの? 想像がつかない。

1秒に3歩だね。メトロノームのアプリを180に合わせて、その場で足踏みしてみると分かるよ。思ったより速くて驚くかも(笑)
②ジョグから意識する
大事なのは、普段のジョグから意識することです。
ポイント練習のときだけ速く足を回そうとしても、身につきません。
フォームは日々の積み重ねで固まっていくものなので、ゆっくり走っているときこそ意識する価値があります。
私の場合、今でもジョグのピッチは170〜180です。
キロ5分20〜30秒のジョグで170前後、キロ4分40秒〜5分まで上げたジョグで175〜180くらい。
レースペースの190前半には届きませんが、この日常のリズムがあるからこそ、レースで自然に上げられるのだと思っています。
フォーム改善で失敗しがちなのが、レース本番でいきなり変えようとすることです。
体に染み込んでいない動きは、疲れてくると元に戻ってしまいます。

③速く走らないと上がらない
ただし、注意点があります。
ある程度スピードを上げないと、ピッチも上がりません。
キロ6分台のジョグでピッチを190まで上げるのは、現実的ではないんです。
実際にやってみると分かると思いますが、足だけを無理に動かすことになり、とても疲れます。
ピッチとスピードはセットで考えてください。
ペースを上げていくと、ストライドもピッチも自然と上がっていきます。
そのときに、ストライドがより上がるのか、ピッチがより上がるのかが、ストライド走法とピッチ走法の違いです。
実際、ストライド走法と言われている大迫傑選手は、2018年のシカゴマラソンのデータによるとピッチは185程度でした。
それでも1歩の幅は身長の107%もある、ストライド走法なんです。

ストライドはいつ意識するか
ではストライドは無視していいのか。そういうわけでもありません。使い分けが必要です。
①練習でだけ意識する
私は流しやショートインターバルのときだけ、ストライドを広げることを意識しています。
流しというのは、全力の8割程度の力でフォームを意識して走る練習です。
200mや400mのショートインターバルも同じで、短い距離だからこそフォームに集中できます。
こうした練習で意識しておくと、レースでは意識していないのに、無意識のうちにストライドが広がってくるんです。
体が覚えてくれる、という感覚に近いかもしれません。

②レースでは意識しない
一方で、レース本番ではストライドをまったく意識しません。理由は、足がとても疲れやすいからです。
練習中に、自分に合ったピッチとストライドを見つけるために、いろいろ試してみました。
先ほども書いた通り、いつもより意識してピッチを上げると、同じキツさでペースが上がりました。
一方、いつもより意識してストライドを広げると、ペースは上がるものの、早々に足への疲労が溜まってしまったんです。
ピッチはコントロールしやすい要素です。意識すればすぐに変えられますし、負担も少ない。
対してストライドは、意識した瞬間に足への負担が増えます。
42.195kmという距離では、この差が後半に効いてきます。
ストライドは練習で広げ、本番では意識しない。これが今の私の考えです。

目標タイム別の考え方
走力によって、意識すべきポイントは変わります。
①完走が目標なら
初めてのフルマラソン完走を目指す方は、ちょこちょこ走りを意識するだけで十分です。
ストライドのことは、いったん忘れてください。
歩幅を狭くして、足の回転を速くする。それだけで足への衝撃が減り、後半まで脚を残しやすくなります。
完走を阻む最大の要因はレース終盤の脚のダメージなので、ここを軽くできるのは大きな武器です。
参考までに、私が初マラソンを4時間24分で完走したときのピッチは170後半でした。
特別に速い数字ではありません。この程度で十分だということです。
初心者の方がストライド走法で走ろうとすると、たいてい着地が体より前になります。
すると足はブレーキとして働き、衝撃も大きくなる。
速く走ろうとしているのに、実際には減速しながら脚を痛めているという、1番報われない状態です。
歩幅を狭くして、体の真下に足を置く。これを意識するだけで、この問題はかなり解消されます。

②サブ4・サブ3.5なら
タイムを狙い始めても、しばらくはピッチ重視で問題ありません。
サブ4に必要な練習量そのものについては、サブ4達成のための練習メニュー に書きました。結論から言うと、月200km走れれば届きます。
私が2回目のフルマラソンでサブ3.5を達成したときのピッチは、180後半でした。
初マラソンから10歩ほど上がっただけで、タイムは1時間近く縮まっています。
この層でストライドを広げようとすると、たいてい失敗します。まだ脚の筋力が追いついていないからです。
ピッチを上げることに集中した方が、確実に結果につながると思います。

③サブ3を狙うなら
ここからは事情が変わってきます。
スピードのあるランナーたちは、ちょこちょこ走りではなく、ダイナミックなフォームで力強く進んでいきます。
サブ3.5まではピッチ走法で対応できますが、サブ3となると、ある程度のストライドも必要だと感じています。
とはいえ、いきなりストライド走法に変えるわけではありません。
ピッチを維持したうえで、ストライドを少しずつ伸ばしていくという発想です。
詳しくはサブ3挑戦記でも触れています。
順番が大事です。まずピッチで走れる土台を作り、そのうえでストライドを足していく。
逆にストライドから入ってしまうと、脚が持たずに後半で崩れます。
私自身、レースでそれを試して失敗しました。

ピッチ190後半から先の課題
いま私が直面しているのが、この問題です。
自己ベストの3時間2分14秒を出したときのピッチは、190前半でした。
ではサブ3を達成するために、ここから200まで上げるべきかというと、そうは考えていません。
190から200へ上げるのは、私には現実的ではないと感じています。
回転数には限界がありますし、これ以上速く足を動かそうとすると、フォームそのものが崩れてしまうんです。
ここから先は、同じピッチのまま、自然とストライドが伸びてくることを目指しています。
そのために、流しやショートインターバルで脚の出力を上げる練習を続けているわけです。
ちなみに、あくまでもこれは私の場合です。200まで上げてもスムーズに走れる方もいます。
とはいえ、ピッチ走法には天井があります。その天井に近づいたとき、初めてストライドの出番が来る。
この順番を間違えないことが大事だと思っています。

2025年12月、フルマラソン3時間2分の自己ベストを出した日のデータ。
前半のピッチは190前半で、後半にかけてピッチが落ちています。
撃沈時にピッチが落ちる
もう1つ、実測データから分かったことをお伝えします。
レース後にApple Watchのデータを見返すと、後半に撃沈しているときほど、ピッチが落ちているのです。これは私に限らず、多くの人に当てはまると思います。

2024年12月、フルマラソン3時間6分で完走したレース。後半に失速した日。
後半のピッチの落ち方が激しい。
ここで解釈が2通りあります。ピッチが落ちるからペースが落ちるのか、ペースが落ちるからピッチが落ちるのか。
私の感覚では、後者です。
足が重たくなって、どうしてもペースの低下を受け入れざるを得ないとき、結果としてピッチも落ちていきます。
ですが、ペースが落ちてきたときこそ、ピッチを落とさないよう意識するのです。そうすると、私の経験上ペースの大幅なダウンを防ぎやすくなります。
後半に脚が売り切れると、どうしても歩幅は狭くなります。それは仕方がない。
でもそこで足の回転まで落としてしまうと、ペースは一気に崩れます。
歩幅が狭くなった分を、回転で補うイメージです。
これはレース中に実践できる、数少ない具体的な対処法だと思っています。

ペースとピッチは連動しているんだね。

レース後半に足が動かなくなったら、歩幅を小さくして回転だけは保つ。これだけで、ペースの落ち方がだいぶ違うよ。
ピッチと歩幅の測り方
自分のピッチを知らないことには、上げようがありません。測り方をお伝えします。
①ピッチはApple Watchで見る
私はApple Watchを使っています。
ランニング中、腕時計の画面にリアルタイムでピッチ(ケイデンス)が表示されるので、走りながら確認できます。
走り終わったあとは、iPhoneの標準アプリ「フィットネス」で振り返ります。
1kmごとのペースと一緒にピッチの推移も確認できるので、どこで落ちたのかが一目で分かります。
走行中はその場で修正するため、走行後は自分の傾向を知るため。両方やると、フォームの理解がぐっと深まります。
時計を持っていない方は、30秒間の歩数を数えて2倍する方法でも測れます。
正確さは劣りますが、自分がおおよそ何歩なのかを知る分には十分です。

②歩幅はペースとピッチで計算できる
Apple Watchには歩幅(ストライド)が表示されません。でも、ペースとピッチが分かれば計算できます。
計算式はこちらです。
歩幅(m)= 1分間に進む距離(m)÷ ピッチ
1分間に進む距離は、「1000 ÷ ペース(分)」で出せますが、「秒」は60進法なので計算が少し厄介です。
分かりにくい式になりますが、
歩幅(m)=1000 ÷(ペース(分)+ ペース(秒)÷ 60)÷ ピッチ
と書き換えることができます。
たとえばキロ5分でピッチが180なら、
1000 ÷ 5 ÷ 180 で、歩幅は約1.11mです。
キロ4分20秒でピッチが180なら、
1000 ÷(4 + 20 ÷ 60)÷ 180 で、歩幅は約1.28mです。
その歩幅を身長で割れば、身長の何%かが分かります。ストライド走法の目安は、身長の90%以上です。
③私の歩幅はこう変わった
身長171cmの私の記録で、実際に計算してみました。
| 時期・練習 | ペース | ピッチ | 歩幅 | 身長比 |
|---|---|---|---|---|
| 2019年5月の練習 | キロ6分20秒 | 163 | 約0.97m | 約57% |
| 2019年12月 初フル | キロ6分13秒 | 174 | 約0.92m | 約54% |
| 普段のジョグ(今) | キロ5分20〜30秒 | 170前後 | 約1.07〜1.10m | 約63〜64% |
| ペースを上げたジョグ(今) | キロ4分40秒〜5分 | 175〜180 | 約1.14〜1.19m | 約67〜70% |
| 2024年12月 フル3時間6分 | キロ4分25秒 | 187 | 約1.21m | 約71% |
| 2025年12月 自己ベスト | キロ4分16秒 | 188 | 約1.25m | 約73% |
| 2026年9月 田沢湖マラソン | キロ4分39秒 | 186 | 約1.15m | 約67% |
※ペースとピッチはApple Watchの平均値です。
Apple Watchの計測誤差もありますので、目安として見てください。
この表から分かることが3つあります。
1つめは、ピッチを上げた初フルのときは、歩幅がむしろ縮んでいることです。
2019年5月とほぼ同じペースで、ピッチを163から174へ上げた結果、歩幅は0.97mから0.92mになりました。
2つめは、そこから速くなるにつれて、歩幅も自然と伸びていることです。
0.92mだった歩幅が、自己ベストのときは1.25mになっています。
ストライドを広げようとレースで意識したことは、一度もありません。
3つめは、それでも身長比は73%で、ストライド走法の目安の90%にはまったく届いていないことです。
私はピッチ走法のまま、3時間2分まで来ました。
タイプを診断しなくても、ピッチを上げてスピードがついてくれば、歩幅は後からついてくる。
私の数字は、そう教えてくれているように思います。

計算とか苦手なんだけど…毎回やらなきゃダメ?

毎回はいらないよ(笑) 年に1回くらい測ってみると自分の変化がわかって面白いんじゃないかな?
時計選びについてはランニングにApple Watchを選ぶ7つの理由に、私が7年使ってきた実感をまとめました。
数字が見えるようになると、フォームの改善は一気に進みます。
フォーム全般の考え方は外反母趾ランナーのフォーム改善でも触れています。
まとめ|まずはピッチを上げる
この記事の要点をまとめます。
- 初心者は、自分がピッチ型かストライド型かを診断しなくていい。まずピッチを上げる
- 例外は陸上の長距離経験者など、走り始める前から脚の筋力がある人
- 私の実測:初フル4時間24分=170後半/サブ3.5=180後半/サブ3目前=190前半
- ピッチを上げる方法は、BPMの速い音楽に合わせること。ジョグから意識する
- ストライドは流しやショートインターバルで広げ、レースでは意識しない
- 歩幅はペースとピッチで計算できる。私は身長比73%のピッチ走法でサブ3目前まで来た
- ペースが落ちてきたときこそ、ピッチを落とさない
ストライドを広げるには筋力が要りますが、ピッチを上げるのに必要なのは意識だけです。
だからこそ、私たちアラフォーランナーにとって1番手をつけやすい改善策なのだと思います。
まずは自分の今のピッチを測ってみてください。そこから10歩上げるだけで、走りが変わるかもしれません。
フォームが整ってきたら、次は練習の組み立てです。あわせてこちらもどうぞ。


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