ランニングを始めるとき、シューズは真剣に選ぶのに、ウェアは「動ければ何でもいい」と後回しにしていませんか。
実はウェア選びを間違えると、汗の不快感、体の冷え、そして皮膚の擦れと、走ることそのものが嫌になる原因が次々に生まれます。
逆に言えば、ポイントさえ押さえれば、ランニングは一気に快適になります。
しかもウェアは、シューズと違って何万円もかかりません。ポイントを知っているかどうか、それだけの差です。
まちすけです。
運動ゼロから35歳で初フルマラソンを完走し、今では月300〜400km走る市民ランナーです。この記事では、初心者ランナーのウェア選びの基本を、私の実体験ベースでお話しします。
素材の選び方、季節ごとの服装、そして意外と誰も教えてくれない「擦れ」対策まで。読み終わる頃には、明日から何を着て走ればいいかが決まっているはずです。

吸湿速乾の機能性素材を選ぶ
ウェア選びの大原則はひとつだけ。
綿素材を避けて、ポリエステルやナイロンなどの吸湿速乾素材を選ぶことです。
綿のTシャツは汗を吸ってくれますが、乾きません。
濡れたシャツが肌に張り付き、体は冷え、重くなる。この不快感は、走るモチベーションを確実に削っていきます。
特に注意したいのが「汗冷え」です。走っている間は体が熱を出しているので気になりませんが、信号待ちで止まったときや、走り終えた後、濡れた綿のシャツは一気に体温を奪います。夏はベタつきの不快感、冬は冷えによる体調不良のリスク。綿は、ランニングにおいては夏も冬も損しかない素材なのです。
普段着としては最高の綿が、なぜ走るとダメになるのか。理由は単純で、綿は「吸うのは得意、乾かすのは苦手」だから。汗をかき続けるランニングでは、吸った汗を外へ逃がし続けてくれる素材が必要なのです。
機能性素材なら汗をすばやく逃がしてくれるので、長い距離でも快適さが続きます。
一度機能性素材で走ると、もう綿には戻れません。走り終えたときのシャツの軽さ、肌離れの良さ。地味な違いに思えて、走る気持ちよさを大きく左右する部分です。
最初の1枚は、スポーツブランドのエントリーモデルで十分。数千円の投資で、走り心地がまるで変わります。
見分け方は簡単で、タグの素材表示に「ポリエステル100%」などと書いてあればOK。スポーツ用品店で売られているランニング用Tシャツなら、まず間違いありません。ちなみに、マラソン大会の参加賞Tシャツはたいてい機能性素材なので、大会に出るようになると練習着は勝手に増えていきます。最初の数枚だけ買えば十分、というのも覚えておいてください。

季節別 服装の使い分け
ウェアは季節によって変わります。私の使い分けを紹介します。
先にコツをひとつ。季節を問わず共通するのは、「家を出た瞬間にちょうどいい服装は、走ると暑すぎる」ということです。これを知っているだけで、服装選びの失敗は半分以下になります。
秋(10〜11月):半袖1枚でOKな日も
10〜11月頃はまだ気温が上がる日もあり、半袖1枚で走れることも多いです。朝晩の冷え込みが気になる日は、薄手の長袖を重ねて、暑くなったら腰に巻けばOKです。
服装選びの感覚としては、「走ると体感温度は5度くらい上がる」と考えるとうまくいきます。
家を出た瞬間に少し肌寒いくらいが、走り出すとちょうどいい。玄関を出て「快適だな」と感じる服装は、走り始めて10分で暑くなります。
秋はランニングを始めるのに最高の季節です。服装もシンプルで済むので、この時期に走り出す方は、まず吸湿速乾の半袖と薄手の長袖を1枚ずつ。それだけで十分です。
なお、11月後半になると朝晩は一気に冷え込みます。冬の装備(保温インナー)は、寒くなってから慌てて買うのではなく、秋のうちに準備しておくとスムーズです。
冬(12〜2月):長袖+インナーで防寒
冬は長袖が必須です。私はアンダーアーマーのコールドギアをTシャツの下に着て走ることが多いです。
トップ選手は真冬でもレースだとタンクトップ1枚だったりしますが、初心者はそこまで体温が上がりません。防寒対策はしっかりと行いましょう。
コールドギアのような保温インナーの良いところは、体に密着して汗を処理しながら、温かさを保ってくれることです。上に普通のTシャツや長袖を重ねるだけで、真冬でも快適に走れます。
もこもこの厚着で走るより、薄い保温インナー+1枚のほうが動きやすく、体温調節もしやすいです。
冬も基本の考え方は秋と同じで、「走れば体温が上がる」前提で選びます。
走り出しの5〜10分は少し寒いくらいでちょうどいい。ただし、手先や耳は走っても温まりにくいので、寒さが本格的になったら手袋などの小物で調整しましょう。
下半身は、上半身ほど神経質にならなくて大丈夫です。
脚は走っている間ずっと動き続けるので、思った以上に冷えません。普通のランニングパンツで寒ければ、下にタイツを1枚。それで真冬も乗り切れます。

雨の日:100均のレインウェアで十分
雨の日のレースや練習では、レインジャケットが役立ちます。ここにお金をかける必要はなく、100均のものを使い捨てで使うランナーが多いです。
特にレースでは、ゴミ袋に穴を開けて代用する人もいるくらいです。要は走り出しの冷えをしのげれば十分なんです。
雨の日に一番怖いのは、濡れることではなく「濡れて冷えること」です。
走り出して体が温まってしまえば、多少の雨はそれほど気になりません。
しかし、レースの際は要注意。スタート地点で30分以上雨ざらしで待たされることもあります。
それでもスタート前の待ち時間と走り出しの数分。そこさえしのげれば良いので、高価なレインウェアである必要がないのです。
なお、普段の練習日の雨なら、無理して走らない判断も全然アリです。雨で消耗して体調を崩したら本末転倒。レースや、どうしても外せないロング走のための知恵だと思ってください。

ゴミ袋!?それでいいのか(笑)

マラソン大会のスタート前は、ゴミ袋をかぶったランナーが結構いるよ。走り出せば体が温まるから、それまでの防寒ってわけ。お金のかけどころを間違えないのが大事なんだ。
小物:帽子・サングラス・アームウォーマー
ウェアとあわせて、小物も少しずつそろえると快適さが上がります。
日差しの強い季節は帽子とサングラス。季節の変わり目は、アームウォーマーがあると走り出しの寒さをしのげて、暑くなったら外してポケットに入れられます。
帽子は日差し対策だけでなく、雨の日にも活躍します。
つばが雨粒から顔を守ってくれるので、視界がまるで違います。1つ持っておくと、夏も雨も使える万能選手です。
どれも最初から必要なものではありません。走る時間帯や季節に合わせて、「不便を感じたら足す」くらいの気持ちで十分です。

見落とし注意|「擦れ」対策はウェア選びの一部
長時間のランニングでは、肌とウェアが擦れて痛みやかゆみが出ることがあります。要注意なのは脇の下、太ももの内側、そして乳首まわり。特に乳首の擦れは、経験者なら誰もがうなずく地味な激痛です。
擦れの怖さは、その仕組みにあります。1回1回はごくわずかな摩擦でも、ランニング中は同じ場所が何千回、何万回と擦れ続けます。
走っている最中は汗で気づきにくく、シャワーを浴びた瞬間に激痛で飛び上がる。長い距離を走った人だけが知る、あの洗礼です。
対策は2つ。擦れにくい縫い目の少ないウェアを選ぶこと。そして、長い距離を走る日はワセリンを擦れやすい場所に塗っておくことです。
ワセリンはドラッグストアで数百円。持っておいて損はありません。
ワセリンの使い方は簡単で、走る前に擦れやすい場所へ指で薄く塗るだけ。目安として、10kmを超える日は塗っておくと安心です。1個買えば長持ちしますし、マラソン本番の必需品でもあるので、早めに習慣にしておきましょう。
ちなみに私は、荷物はポーチではなくマルチポケットのパンツ(収納がたくさんついたパンツ)に入れる派です。ポーチは走っていて揺れて擦れの原因にもなるので、身につける物を減らすのも立派な擦れ対策です。
マルチポケットパンツは、腰まわりにスマホ・鍵・ジェルがすっきり収まって、走っていてもほとんど揺れません。最近のランニングパンツの主流になりつつあるので、パンツを買うときは「ポケットの数と位置」もチェックしてみてください。荷物問題とウェア選びは、実はつながっています。

タイツと靴下はどうする?
タイツ:初心者の「安心感」としてはアリ
初心者の方はランニングタイツを履く人も多いですね。機能性の高いものは膝や腰の負担を軽減してくれますし、まだ足腰が強くない時期の安心感としては十分アリです。
私の考えを先に言うと、タイツは「必須ではないが、初心者のうちは味方になる」という温度感です。
特に、体重が重めの方や、走り始めて膝まわりに不安を感じる方にとって、サポート感のあるタイツは心強い存在です。保温にもなるので、冬の防寒を兼ねられるのも利点です。
ただ、走力が上がってくると、タイツは可動域が制限されて邪魔に感じてきます。足腰が鍛えられれば無くても問題なく走れるようになるので、上級者ほど履かなくなる、と知っておくといいでしょう。
「タイツ1枚は恥ずかしい」という方は、上にハーフパンツを重ねるスタイルが定番です。
見た目も自然で、ポケットも使えるので、初心者の方はこの組み合わせから入るのがおすすめです。
ちなみに私はタイツ1枚スタイルに抵抗があります(笑)なので、タイツを履くときは必ず上にハーフパンツを重ねています。

靴下:5本指は事前に試着必須
靴下は意外と重要です。厚みのあるもの、滑り止め付き、5本指と色々ありますが、注意したいのは5本指ソックス。
機能的に見えますが、足の形によってはまったく合わない人もいます。特に私のような外反母趾や内反小趾の方は、必ず試着をしてみてください。
私はZAMSTの5本指ソックスを試着せず買いました。
機能性ソックスで口コミも良かったので疑わずに買ったのですが、小指が収まらず、私の足に全く合わなかったんです。
しかし、友人からプレゼントで戴いたTABIOの5本指ソックスはバッチリフィット!
人によって合う合わないが異なりますので十分注意してください。
その他、靴下で失敗しないための基本は2つ。
まず、靴下も綿を避けること。綿の靴下は汗で湿ってマメの原因になります。
そして、厚みは好みで選ぶこと。厚手はクッション性が高く初心者向き、薄手は素足感覚でフィット感重視。どちらが正解ということはなく、シューズとの相性もあるので、何足か試して好みを見つけてください。
どのタイプでも、本番でいきなり使わず、練習で何度か試してから採用するのが鉄則です。
シューズにはこだわるのに、靴下は家にあるもので済ませる。実はこれ、とてももったいないことをしています。
シューズと足の間にあるのは靴下だけ。数百円〜千円程度でフィット感が変わるのですから、ランニング用を数足そろえる価値は十分にあります。
初心者のNGパターン
- 綿のTシャツで長い距離を走る
- レース本番で新品のウェアをおろす
- サイズの合わないウェアで走る
- 擦れ対策をせずにロング走に出る
- 真冬にトップ選手の真似をして薄着で走る
それぞれ補足します。
偉そうに書いていますが、この5つ、ほとんどは過去の私自身がやってきたことです。同じ回り道をしないでください。
① 綿のTシャツで長い距離を走る
大原則の通りです。5km程度なら我慢できても、10kmを超えると汗冷えと張り付きで一気に不快になります。機能性素材の1枚を最初に買いましょう。
「まだ初心者だから、手持ちのTシャツでいいや」という気持ちは分かります。
でも、その不快感が「走るのって気持ちよくないな」という誤解につながるのが、一番もったいない。ウェアのせいで走ることを嫌いにならないでください。
② レース本番で新品のウェアをおろす
慣れないものを本番でいきなり使うと、致命的な失敗につながります。
ウェアも同じで、擦れる場所やサイズ感は着て走らないと分かりません。本番で使うものは、必ず練習で数回試しておくこと。
レース前は気分が高まって、新しいウェアをおろしたくなるものです。
レースのために新しいウェアを買うのは問題ありません。ただし本番の2〜3週間前には買って、練習で数回着てから本番に臨む。この順番だけ守ってください。
③ サイズの合わないウェアで走る
ゆるすぎると布がばたついて擦れの原因に、きつすぎると呼吸がしづらくなります。
試着して、腕を回したり軽く屈伸したりして、動きやすさを確かめてから買いましょう。
普段着と同じ感覚でサイズを選ぶと、失敗しがちです。ランニングでは腕を振り続け、脚を上げ続けます。じっと立っているときではなく、「動いているとき」に快適かどうかが基準です。
④ 擦れ対策をせずにロング走に出る
20kmを超えるロング走や本番では、擦れは必ず起きると思って準備してください。ワセリンを塗る一手間で、後半の地味な苦痛が消えます。
擦れは、疲労や痛みと違って「完全に防げるトラブル」です。防げるものは全部防いで、当日は走ることだけに集中する。準備の差が、そのまま快適さの差になります。
⑤ 真冬にトップ選手の真似をして薄着で走る
初心者はまず防寒優先です。
走り出して暑ければ脱げばいいだけなので、寒い側に外さないことが大切です。
特に真冬の早朝や夜のランニングは、思っている以上に体が冷えます。かっこよさは、まず継続できてから。冬に体調を崩して数週間走れなくなるほうが、よほど遠回りです。
【PR】初心者が最初にそろえたいランニングウェア
私が実際に使ってみておすすめできるウェアを紹介します。
まずはアンダーアーマーのコールドギア。上半身の保温インナーはこれで決まりです!
もっと安価なものはたくさんありますが、汗をかいたときの着心地や耐久性を考えるとアンダーアーマー一択です。私は今でも冬のレースではこれを着用します。
ロングタイツのおすすめはCW-X。機能によっていくつかのバリエーションがあります。
私は初フルマラソン時に、腰・おしり・ふくらはぎ・ひざ をフルガードしてくれるジェネレーターを購入しました。おかげでレース最後まで痛みや攣りに悩まされることなく完走できました。
マルチポケットパンツは、購入する前に実際に試着してスマホやジェルなどをポケットにいれてみましょう。商品によっては思った以上に荷物が揺れてストレスになることがあります。特にスマホを入れたときに揺れて固定されないものはNG。腰の後ろのポケットがファスナーになっているタイプのものはおすすめしません。
私はアシックスの以下の商品を愛用しています。収容力はそこまで高くありませんが、荷物の安定感が抜群です!
最後はワセリン。こちらはなんでもいいです(笑)
ドラッグストアに売っている安いもので十分!「どのワセリンを塗るか」よりも「ワセリンを塗るか塗らないか」で大きな違いが出ます。
機能性シャツや
まとめ|ウェアが快適だと、走るのが好きになる

- 素材は吸湿速乾一択。綿は避ける
- 季節で使い分け。冬はインナー、雨は100均レインで十分
- 擦れ対策(ワセリン)はロング走の必需品
- タイツは初心者の安心感としてアリ。靴下は試してから
- 本番で使うものは、必ず練習で試す
ウェアはシューズほど高価ではありませんが、快適さへの影響は絶大です。最低限をそろえて、気持ちよく走り出しましょう。
走ることが続くかどうかは、意外なほど「快適かどうか」で決まります。汗でベタつかない、冷えない、擦れない。この当たり前を整えるだけで、ランニングは想像以上に気持ちのいい時間になります。ウェアを整えることは、走る習慣への一番安い投資です。
他にもランニング初心者にとって役立つ情報を発信しています。ぜひ参考にしてみてください!


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