フルマラソンの補給ジェルの選び方|5メーカー実食した私の結論

シューズ・ギア

フルマラソンに向けて練習を積んでいくと、避けて通れないのが「補給ジェル」選びです。

お店やネットを見れば、アミノバイタル、メダリスト、マグオン、アミノサウルス、モルテン。値段も1個200円くらいから1000円超まで様々。どれを選べばいいのか、正直わからないですよね。

こんにちは!まちすけです。

運動ゼロから35歳で初フルマラソンを完走し、今では月300〜400km走り、サブ3を目指す市民ランナーです。ジェルも主要どころは一通り実食してきました。

そんな私ですが、かつてジェルでレースを台無しにしたことがあります。

先に結論を言います。ジェル選びの大原則は、「自分にとって1番美味しいものを選ぶ」。そして数あるジェルの中で、私がレースで使うのはモルテン一択です。

この記事では、なぜ「美味しさ」がそれほど重要なのか、5メーカーの正直な実食レビュー、そして私の本番での使い方まで、全部お話しします。

なぜフルマラソンに補給が必要なのか

まず前提から。人間の体に蓄えられる糖質エネルギーは約2,000kcalと言われます。

一方、フルマラソンで消費するエネルギーは、体重60kgの人で約2,500kcal。つまり、何も補給しなければ、途中でエネルギーのタンクが空になる計算です。

エネルギーが切れるとどうなるか。私は初めての30km走で経験しましたが、25kmすぎに突然、体が重くなり、脚が止まります。俗に言う「ガス欠」です。これを防ぐのが、走りながら摂れる濃縮エネルギー、補給ジェルの役割です。

さらに、補給にはもうひとつの役割があります。

長時間走り続けると、脚より先に「集中力」が切れてきます。何時間も同じ動作を続ける脳の疲労です。

ここで効くのがカフェイン入りのジェル。レース後半に投入すると、頭がシャキッとして、残りの距離への集中を取り戻せます。

フルマラソンでは、補給は「あったほうがいい」ではなく「必須の装備」だと考えてください。エネルギーと集中力、その両方を支えてくれるのがジェルです。

大原則|ジェルは「1番美味しいもの」を選べ

自分の口に合うものを選ぶ

ジェル選びと聞くと、成分や効果を比べたくなります。でも私の結論は違います。

まず考えるべきは味。自分の口に合うかどうかです。

ジェルの味や食感には、かなりクセがあります。そしてやっかいなことに、口コミで「飲みやすい」と絶賛されているものが、自分には無理なことも普通にあります。

どんなに高価で効果的と言われるジェルでも、自分の口に合わないものは、レースでマイナスにしかなりません。

実話|本番でジェルに苦しめられた話

なぜここまで「味」にこだわるのか。私の苦い実体験をお話しします。

2回目のフルマラソン、3時間24分で完走したレースでのことです。

「レース後半にカフェインを摂ると集中力が増す」と聞いた私は、カフェイン入りのジェル(メダリストのコーヒー味)を用意しました。ただし、練習では一度も試さず、ぶっつけ本番です。

レース後半、満を持して封を切り、口に入れた瞬間。吐き気がするほど不味く感じ、そこから一気にペースダウン。

口の中に不快感だけが残り、レース終盤を台無しにしました。

レース後半は味覚が変わる

この話には続きがあります。後日、同じジェルを練習で飲んでみたら、まったく問題なく飲めたのです。

つまり、ジェルが悪かったのではありません。普段と、レース後半の疲れ切った状態とでは、味覚そのものが変わるのです。

だからこそ、ジェルは「疲れた状態」で試す必要があります。

おすすめは、30km走のようなレースを想定したロング走で実際に使ってみること。元気なときに美味しくても、25km走った後の口に合うかどうかは、試さないと分かりません。

ケンジ(40歳)
ケンジ(40歳)

味覚が変わるのか…。それは飲んでみないと分からないなぁ。

まちすけ
まちすけ

そうなんだよ。だから「本番で初めて使う」のは絶対にダメ。俺はそれで1レース台無しにしたからね。ロング走が、ジェルの試飲会も兼ねるんだ。

5メーカー実食レビュー

ここからは、私が実際に飲んできた主要5メーカーの正直な感想です。良かったものも、もう買わないものも、そのまま書きます。

先に値段の考え方をひとつ。ジェルは1個150円前後から500円超まで幅があります。私のおすすめは、練習用と本番用を分けて考えること。練習ではコスパの良いものを数多く、本番では信頼できる最高の一本を。全部を高級ジェルにする必要も、全部を安いもので済ませる必要もありません。

モルテン|レースはこれ一択

まず私の1番のおすすめは、MAURTEN(モルテン)です。

出典:Maurten公式 https://maurten.jp/

世界のトップアスリートがこぞって採用しているジェルで、先日フルマラソンで2時間切りを達成したケニアのセバスチャン・サウェ選手も愛用しています。

味は、正直あまりしません。美味しいわけでもありません。

でも後味がまったく残らず、スッキリしています。これがレースでは絶大な長所になるんです。疲れた後半の口でも、不快感なく摂れます。変に甘ったるいジェルよりも、このくらいスッキリしてくれていた方がずっと良いです。

食感は一般的なジェルより固めで、噛んで食べる感じ。ここは好みが分かれるかもしれません。

値段は高めです。それでも、世界中のトップランナーが「スペシャルドリンク」としてモルテンを選んでいる事実が、性能の何よりの証明だと私は思っています。

何を選ぶか迷い続けるより、「世界最高峰の現場で選ばれているもの」を信じる。私はそう割り切りました。

  • こんな人に:レース本番で最高の一本が欲しい/甘い後味が苦手
  • 特徴:味は薄め・後味スッキリ・固めで噛んで食べるタイプ
  • 注意:価格は高め。練習用に量産するより、本番用と割り切るのが現実的

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アミノバイタル|入門に最適

ドラッグストアなどどこでも手に入る定番、アミノバイタル(青・赤)。最大のメリットは、美味しくて飲みやすいこと。そしてコスパが良いことです。

出典:味の素公式 https://www.ajinomoto.co.jp/aminovital/

初めてジェルを試す方、練習用にたくさん消費する方には、まずこれをおすすめします。「ジェルってこういうものか」を知る入門として最適ですし、味の失敗がまずありません。

レース中に飲むならアミノ酸が豊富に含まれている赤がおすすめです!

  • こんな人に:初めてのジェル選び/練習で数を使いたい
  • 特徴:美味しい・飲みやすい・どこでも買える・コスパ良し
  • 注意:レース本番用には、もう一段こだわる余地あり

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メダリスト|味に当たり外れがある

メダリストのエナジージェルは、フレーバーの種類が豊富です。カフェイン入りとカフェインなしの両方があるのも便利。ただし正直に言うと、味には当たり外れがあります。

出典:株式会社アリスト公式 https://www.arist.co.jp/products/medalist_energy-gel/

私はコーヒー味がいまいちでした(例の吐き気事件の主役です。ただし繰り返すと、普段の状態なら問題なく飲めました)。

逆に口に合うフレーバーを見つけられれば、選択肢の広い良いシリーズです。必ず練習で試してから、レースに投入してください。

アミノサウルス|割と飲みやすく美味しい

アミノサウルスには「エリート」と通常版がありますが、味はどちらも同じような系統です。

出典:SAURUS公式オンラインショップ https://shop.saurusjapan.com/fs/aminosaurusgel

個人的には割と飲みやすく、美味しい部類。練習用のローテーションに入れています。

味のバリエーションは、01:マンゴー 02:レモン 03:ピーチレモン 04:グレープ
です。

01と02はノーマル、03と04はエリート で、含まれている成分が異なり、その分価格も変わります。
そして、01と03がカフェイン入り。

正直、初心者の方はノーマルでもエリートでもあまり違いがわからないと思います。私もあまり分かりません(笑)。ジェルの成分よりも、その日のコンディションの方が大事です。

なので、4つの味の中から自分の好みのものを探してみてください。

マグオン|正直、もう買わないと思う

マグオン味が非常に濃く、飲んだ後に胸焼けしそうになるくらいでした。

出典:Mag-on公式 https://mag-on.net

まとめ買いをしてレース用としても使っていた時期がありましたが、私はもう買うことはないと思います。

ただし、これはあくまで私の味覚での話。この濃さが好きという人もいるはずです。ジェルの相性は本当に人それぞれ。だからこそ「自分で飲んで確かめる」が唯一の正解なのです。

私の本番での使い方|フルマラソンでジェルは2個だけ

次に、レース本番での使い方です。何個をどのタイミングで摂るかは、ランナーによって様々な意見があります。ここではあくまで「私の例」として紹介します。

  • レース前日の夜:モルテンの「ドリンクミックス320」を1本
  • レース当日の朝:同じくドリンクミックス320を1本
  • レース中20km地点:モルテンのジェル(カフェインなし)を1個
  • レース中30km地点:モルテンのジェル(カフェイン入り)を1個

レース中に摂るのは2個だけ。エネルギー切れが来る前に先回りして20kmで1個目、勝負どころの30kmでカフェイン入りの2個目、という設計です。

カフェインは後半の集中力の一押しとして使います。

30km地点といえば、俗に「30kmの壁」と言われる勝負どころ。そこへ向けて頭をシャキッとさせる、私にとってはお守りのような一本です。

「2個で足りるの?」と思うかもしれません。ポイントは、レース前の準備でタンクを満たしてあるかどうかです。

初心者の方は、もう少し多めでもいいと思います。私も初マラソンの頃は、10kmごとに補給していました。大事なのは、本番前のロング走で「自分は何kmごとに何個必要か」を確かめておくことです。

前日夜と当日朝の「ドリンクミックス320」は、レース前の糖質チャージの仕上げです。3日前から始めるカーボローディングで体のタンクを満たし、直前はドリンクで最終調整、レース中はジェル2個で継ぎ足す。この流れで、私はエネルギー切れの不安なくスタートラインに立てています。

本番までの「試し方」3ステップ

ジェルを本番で確実に使えるようにする、私のおすすめの手順です。

  • ステップ1:気になるジェルを数種類、1個ずつ買う。まずは普段のランニング中などに飲んで、味の第一印象を確かめる
  • ステップ2:口に合ったものを、20km走や30km走で実際に使う。疲れた状態の口で飲めるか、走りながら封を切れるかを確認する
  • ステップ3:本番と同じ銘柄・同じタイミングをロング走で一度リハーサルして、そのまま本番へ

ポイントは、ステップ1で「複数種類を1個ずつ」買うこと。いきなり箱買いして口に合わなかったら悲劇です。私のマグオンがまさにそれでした。

携帯はマルチポケットパンツが最強

ジェルの携帯方法は、マルチポケットパンツ(腰まわりに収納がたくさんついたパンツ)を使っています。走っていてもジェルが揺れず、取り出しもスムーズです。

ポーチは走行中に安定しないので、私はあまりおすすめしません。揺れは、42kmの間じわじわとストレスになります。

補給ジェルのNGパターン

補給ジェルのNGパターン
  • 練習で試さずに本番で初使用する
  • 味を無視して「効果」だけで選ぶ
  • エネルギーが切れてから飲む
  • エイドの給食を食べすぎる
  • ポーチなど揺れる方法で携帯する

それぞれ補足します。

① 練習で試さずに本番で初使用する

私の吐き気事件そのものです。レース後半は味覚が変わるため、ぶっつけ本番はギャンブルにすらなりません。必ずロング走で、疲れた状態の口で試してください。

「試す」のは味だけではありません。走りながら封を切る動作、手がベタつかないか、ゴミをどこにしまうか。そういう細部も含めて、練習で一度経験しておくと本番で慌てません。

② 味を無視して「効果」だけで選ぶ

成分表がどれだけ優秀でも、飲めなければゼロ、吐き気がすればマイナスです。

効果の差より、口に合うかどうかの差の方がはるかに大きい。まず味、です。

SNSやレビューで評判のジェルが自分に合うとは限りません。逆に、誰も話題にしないジェルが自分には最高かもしれない。ジェル選びは、他人の正解ではなく自分の正解を探す作業です。

③ エネルギーが切れてから飲む

ジェルは飲んですぐ効くわけではなく、吸収に時間がかかります。

なので「切れたら飲む」では遅いです。切れる前に、20km地点など決めたポイントで先回りして補給するのが正解です。

④ エイドの給食を食べすぎる

大きな大会のエイドステーションには、バナナやチョコ、ご当地グルメまで並びます。

楽しみのひとつですが、注意がひとつ。長距離走行中は内臓もかなり疲労しており、固形物を食べすぎると消化しきれず気持ち悪くなることがあります。つまみ食い程度に楽しむのが賢明です。

⑤ ポーチなど揺れる方法で携帯する

ジェル2〜3個とはいえ、揺れる装備は42kmの間ずっとストレスです。

マルチポケットパンツなら体に密着して揺れません。装備は「忘れられるもの」が一番です。

よくある質問

Q. 最初は何個くらい買えばいい?

気になるものを2〜3種類、1個ずつで十分です。

飲み比べて口に合うものを見つけてから、必要な分を買い足しましょう。最初の箱買いはおすすめしません。

Q. いつから練習で使い始めるべき?

20kmを超えるロング走を始めるタイミングからでOKです。

それより短い距離では、正直ジェルの必要性は薄い。ロング走の回数は限られているので、1回1回をジェルの練習台として有効活用してください。

Q. ジェルは何個持って走ればいい?

私は本番2個ですが、これはレース前の糖質チャージ込みの設計です。

初心者の方や、5時間以上かかる想定の方は、10kmごとを目安に3〜4個でもいいと思います。ロング走で「自分は何kmあたりでエネルギーが切れ始めるか」を確かめて、自分の数を見つけてください。

Q. カフェイン入りとなし、どう使い分ける?

私は「前半はカフェインなし、後半の勝負どころでカフェイン入り」と使い分けています。

序盤から入れる必要はありません。効かせたい場面の少し手前で摂るのがコツです。なお、カフェインに敏感な方は、必ず練習で体との相性を確かめてから使ってください。

Q. エイドの給食があるから、ジェルは要らないのでは?

あった方が安心です。

エイドは大会によって内容も間隔もバラバラで、狙ったタイミングで狙った補給ができるとは限りません。また、疲れてくると体が固形物を受け付けなくなってくることも。

計画的なエネルギー補給は自前のジェルで行い、エイドは水分補給とお楽しみに。この役割分担が安全です。

まとめ|「美味しいジェル」があなたを42km運んでくれる

  • ジェル選びの大原則は「自分にとって1番美味しいもの」。効果の差より相性の差
  • レース後半は味覚が変わる。必ず30km走などのロング走で試してから本番へ
  • 私のレース用はモルテン一択。味は薄いが後味スッキリ、世界のトップが選ぶ性能
  • 入門・練習用にはアミノバイタルがコスパ良し
  • 本番は「切れる前に先回り補給」。携帯はマルチポケットパンツで

ジェル選びは、シューズ選びほど注目されません。

でも、42.195kmの後半にあなたを支えるのは、間違いなくこの小さな一本です。

しかも一度「自分の正解」を見つけてしまえば、以降のレースでずっと使い回せます。早めに見つけておいて損はありません。

補給ジェルは、フルマラソン後半の失速を防ぐ命綱です。そして、その命綱の信頼性は、本番までに何度「疲れた口」で試したかで決まります。ロング走のお供に、まずは気になる1本から試してみてください。

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