外に出た瞬間、むわっとした熱気。
走り出して5分で全身が汗だく。
夏のランニングは、正直しんどいものです。
こんにちは、まちすけです。月300〜400kmを走り、サブ3を目指している市民ランナーです。
実は私、1年で1番多く走る時期が7月と8月なんです。
暑いから走らないのではなく、暑い時期だからこそ走り込む。秋冬のレースで自己ベストを出せるかどうかは、この2ヶ月で決まると考えています。
とはいえ、真夏に何も考えず走るのは危険です。私自身、練習中に意識を失って倒れた経験があります。
この記事では、真夏も週7で走り続けている私が実践している具体的な対策と、初心者の方に絶対にやってほしくないことをお話しします。

結論|夏はペースを捨てて距離を積む
先に結論をまとめます。
- 夏はペースを捨てて、距離を積む季節。タイムは気にしない
- 走るのは早朝か夜。日中は避ける
- 給水は2〜3kmごと。喉が渇く前に、塩分とセットで
- 日陰と水道のあるコースを選ぶ
- 初心者は距離を減らしてでも、走ることを続けるだけで十分
ここで大事なのは、経験者と初心者でやるべきことがまったく違うという点です。私のような走り込みは、走り慣れていない方が真似すると本当に危険です。

夏に走るなんて考えただけでしんどいよ。休んじゃダメなのか?

初心者なら無理せずできる範囲で続けていけるといいね。ただ、レースで記録を狙う人にとっては、夏の走り込みが秋の結果を左右するんだ。
夏の練習の考え方
まずは、夏にどういう方針で練習するかという話から始めます。
ペースを捨てて距離を積む
夏の練習では、ペースを落とし、その分だけ距離を増やすことを心がけています。
涼しい時期と同じペースで走ろうとすると、身体への負担が跳ね上がります。同じキロ5分でも、気温が10℃違えば別の練習になってしまいます。だから夏はタイムを見ません。
代わりに積み上げるのが距離です。
ゆっくりでいいから長く走る。この夏の積み重ねが、秋冬にしっかり走り切れる脚を作ってくれます。
実際、私が毎年12月に自己ベストを更新できているのは、7月と8月に1番走っているからだと思っています。

ペースは「キツさ」で決める
ペースを落とすと言っても、実際どのくらいのスピードで走ればいいのでしょうか。
「涼しい時期はキロ◯分で走っているから、暑い時期はキロ◯分くらい」のようには考える必要はありません。
私の基準はシンプルで、数字ではなく自分の感覚です。
「楽だな」と感じるペースから、「少しきついけどこのペースだったら問題なく走れるな」と感じるペースの間くらいがおすすめです。
これ以上速いペースになると、強度が強すぎですね。
数字を意識して、夏に無理をしてペースを守ろうとすると、疲労が抜けないまま次の日を迎えることになります。それが何日も続けば、故障か体調不良のどちらかが待っている。数字を追うのは涼しくなってからで十分です。

初心者は継続だけでいい
ここはしっかりお伝えしたいところです。
私のような夏の走り込みは、初心者の方には絶対におすすめしません。
走り慣れていない体で真夏に距離を追うのは、リスクしかありません。熱中症の危険もありますし、つらすぎてランニング自体が嫌になってしまう可能性もあります。
初心者の方の夏の目標は、距離を減らしてでも走ることをやめない。これだけで十分です。
ただ、できれば走る頻度は減らしたくありません。
週3回走っている人は、それをキープ。でも、1回10kmが5kmになっても構いません。
これさえ守っていれば、涼しくなってからまた気持ちよく走れるようになるはずです。

走る時間とコース選び
次に、いつ・どこを走るかという話です。ここは対策の中でも特に効果が大きい部分です。
早朝か夜に限る
とにかく涼しい時間を狙って走りましょう。
とはいえ、ここ最近の日本の夏に涼しい時間なんて存在しませんね…
しかし、その中でもまだマシだと感じるのが早朝と夜です。
涼しい時間を狙って走る理由は言うまでもなく、走りやすいからです。
「暑い中、我慢して走った方が強くなる気がする」というのは気のせいですよ。
強くなるどころか、暑さにやられて熱中症になったり、慢性疲労で全く走れなくなったりするだけ。やればやるほど体を壊していくという最悪の状態になりかねません。
日中の炎天下で走ると、その日の練習だけでなく、翌日以降にまで影響が出ます。同じ距離を走るなら、体力の消耗が少ない時間帯を選んだ方がいいです。
早朝と夜のどちらがいいかは、生活リズム次第です。私は仕事の状況に応じて使い分けています。この「時間帯を複数持っておく」という考え方は、夏に限らず継続のコツでもあります。

日陰と水道で選ぶ
コース選びの基準は2つあります。日陰が多いことと、水道があることです。
まず日陰について。
日差しは、想像以上に体力を削ります。夏の日差しの有無は気温よりも疲労の仕方に大きな影響を与えると感じます。
同じ気温でも、直射日光の下と木陰では体感がまったく違います。夏場は多少遠回りになっても、木立の下を通るコースを選ぶ価値があります。
そしてもうひとつが水道です。
私が夏によく使うのは、1周800mの公園の周回コース。ここには水道があるので、こまめに給水しながら走れます。
周回コースにはもうひとつ利点があります。体調が悪くなったとき、すぐにやめられることです。
家から遠く離れた片道コースだと、途中具合が悪くなってもなんとか家まで帰らなければなりません。特に夏はこのリスクを避けるべきです。

給水は2〜3kmごと
ここからが、夏のランニングで最も重要な話です。
喉が渇く前に飲む
私は2〜3kmごとに必ず給水しています。時間にすると15分前後に1回です。
大事なのは、喉が渇いてからでは遅いということ。渇きを感じた時点で、体はすでに水分不足の状態に入っています。夏はタイミングを決めて、機械的に飲むくらいでちょうどいいのです。
公園の周回コースを使うのは、これを確実にやるためでもあります。800mの周回なら、3〜4周ごとに必ず水道の前を通る。給水を「意志」ではなく「コース設計」で担保しているわけです。

塩分もセットで摂る
水だけを飲み続けるのは、実は危険です。汗と一緒に失われた塩分が補えないからです。
私は塩タブレットを多めにランニングパンツのポケットに入れて走ります。給水のたびに、水と一緒に塩分も補給する。これをセットで習慣にしています。
経口補水液は使っていません。走りながら飲むには量が多く、持ち運びも面倒だからです。塩タブレットなら小さくて軽く、ポケットに何個でも入ります。
ボトルは持たない理由
ランニング用のボトルやハイドレーションパックは、私は使いません。
理由は3つ。暑いこと、重いこと、そして邪魔なことです。ただでさえ暑い中を走るのに、体に密着するものを増やしたくありません。
その代わりに、水道のあるコースを選ぶという方法を取っています。もちろん、ボトルが気にならない方は持って走ってもいいと思います。大切なのは、確実に給水できる方法を自分なりに確保しておくことです。

体重が2kg減る日もある
どれだけこまめに給水しても、夏はどうしても水分が足りなくなります。
私の場合、走る前と後で体重が2kg以上変わってしまうことがあります。これはほぼすべて発汗によるもので、脂肪が減ったわけではありません。2〜3kmごとに水を飲んでいても、こうなります。
つまり、汗の量が給水の量を上回っているということです。
ここまで減る日は、体にとってかなり負担が大きい状態だと考えています。
だから私は、本当に暑い日は長い距離を走りません。給水で完全にカバーできない以上、走る時間そのものを短くするしかないからです。
夏は「今日はどこまで走るか」を、その日の暑さを見て決めています。
走る前と後の補給
給水は走っている最中だけの話ではありません。前後の補給まで含めて対策です。
走る前には、コップ2杯の水分と塩タブレット1つを摂ります。空っぽの状態でスタートしないためです。
そして走った後。私は走る前後で体重を測り、減った分だけ水分を補給しています。ここでのポイントは、一気に飲まないこと。1〜2時間かけて、こまめに分けて飲みます。急に大量の水を入れても、体はうまく吸収してくれません。
水分と合わせて、タンパク質と糖質も補給します。私がよく摂るのは、鶏胸肉やヨーグルト、そしてお米やエネルギーゼリーです。夏は食欲が落ちやすいので、食べやすいものを選ぶのがコツです。
夏に必須の装備
夏のランニングで、私が必ず使っているものを紹介します。どれも1,000円台から揃うものばかりです。
帽子とサングラス
この2つは、夏の必須装備だと思っています。
帽子は直射日光から頭を守ってくれます。頭部に日光を浴び続けると、体温の上昇が早くなります。汗を吸ってくれるので、目に汗が入るのも防げます。
サングラスも同様に効果的です。強い日差しの下で目を細め続けると、それだけで疲労が溜まります。表情がこわばると、肩や首にも余計な力が入ってしまう。走りへの影響は小さくありません。

ワセリンは夏こそ必須
ワセリンは夏こそ欠かせません。汗で肌が濡れることで、擦れが起きやすくなるからです。
私が塗るのは、股、脇、腰まわり。この3ヶ所にたっぷり塗ってから走り出します。ケチらずに厚めに塗るのがコツです。
あわせて、股ずれ対策としてスパッツも履いています。ワセリンとスパッツの二重の対策で、夏の長い距離でも擦れに悩まされることが少なくなりました。
日焼け止めは30分前
日焼け止めは、夏の必需品です。ただし、塗るタイミングにコツがあります。
家を出る直前ではなく、30分ほど前に塗っておく。肌になじむ時間を作ってから走り出すと、汗で流れにくくなります。量もケチらず、たっぷり塗ります。
ちなみに、飲むタイプの日焼け止めも試したことがありますが、私はあまり効果を感じられませんでした。素直に塗るタイプを使うのが確実だと思います。
夏のウェア全般については、ランニングウェアの選び方の記事にもまとめています。

私が倒れた日の話
ここからは、少し重い話をします。ただ、夏に走る方には知っておいてほしい経験です。
練習中に意識を失った
私は過去に、夏場に追い込む練習をやりすぎて、練習中に何度か意識を失って倒れたことがあります。
病院で診てもらったところ、迷走神経反射による脳貧血だろうという診断でした。強度の高い練習と暑さが重なったことが引き金になったようです。
幸い大事には至りませんでしたが、走っている最中に意識を失うというのは、状況次第では非常に危険です。転倒の仕方によっては大怪我をしますし、車道の近くだったらと思うとぞっとします。
夏に強度の高い練習をやりすぎるのは、それだけリスクがあるということ。私が「夏はペースを追わない」と繰り返しているのは、この経験があるからです。

Apple Watchが示していた予兆
この経験には、興味深い後日談があります。
倒れたときの心拍データを後から見返すと、ウォーミングアップ後にいったん下がった心拍数が、突然跳ね上がっていたのです。そしてその直後に意識を失っていました。
「一度下がってから急に上がる」。これが私にとっての危険信号だと分かったのは、データが残っていたからです。感覚だけでは絶対に気づけませんでした。
心拍を記録できる時計を持っている方は、体調を崩した日のデータを必ず見返してみてください。自分だけの危険パターンが見えてくることがあります。私が使っているウォッチについてはこちらの記事で紹介しています。
やめる判断は体の声で
走るのをやめる基準について、よく聞かれます。私の答えは「気温ではなく、自分の体の状態で決める」です。
走っていて喉の渇きを感じたとき。急に体が重くなったと感じたとき。こうした症状が出たら、その日の練習はそこで終わりにします。予定していた距離が残っていても関係ありません。
朝起きた時点で、やたらと疲労感が強い日もあります。そんな日は、無理せず休みにすると言う判断も必要です。
ただし正直に言うと、私は基本的にそれでも走ってしまいます。
毎日走っている私だからこそ許される判断であって、そうでない方は、疲労感が強い日は素直に休むべきです。無理を続けて故障するより、1日休んで明日走るほうがずっといい。
なお、気分が悪くなる、めまいがするといった症状が出た場合は、自己判断で様子を見ずに医療機関を受診してください。私も意識を失った後はきちんと診察を受け、精密検査まで行ってもらいました。
夏の睡眠と食事
対策というと給水や装備の話になりがちですが、走っていない時間の過ごし方も同じくらい重要です。
私が夏に意識していることを3つ紹介します。
睡眠は7時間以上
夏はとにかく寝るようにしています。目標は7時間以上です。
正直、できることならもっと睡眠時間を確保したいくらいですが、仕事や家庭が忙しい我々には難しいこともあります。それでもやはり7時間以上寝ておきたいですね。
暑い中を走ると、自分で思っている以上に体力を消耗します。走行距離が同じでも、夏の疲労は明らかに深いのです。
それを回復させる手段として、睡眠に勝るものはありません。
寝不足のまま暑い日に走ると、練習の質が落ちるだけでなく、体調を崩すリスクも上がります。私が練習中に倒れたときも、やや睡眠不足気味でした。
夏場に走行距離を増やすなら、その分だけ睡眠時間も増やす。走ることと寝ることはセットだと考えています。

冷たいものを控える
食事で気をつけているのは、冷たいものを食べすぎないことです。
暑いとどうしてもアイスや冷たい飲み物に手が伸びます。走った直後は特にそうです。
実際、常温の飲み物より、5〜15℃くらいの冷えた飲み物の方が体に吸収されやすいと言われています。
しかし、冷たいものを摂りすぎると、内臓が弱ってしまう感覚があります。暑い日に冷たい飲み物をがぶ飲みして胃が痛くなった経験はありませんか?
夏に食欲が落ちる方は多いと思いますが、その原因のひとつが冷たいものの摂りすぎではないかと感じています。私自身、食欲不振になった経験はありませんが、それは冷たいものを意識的に控えているからかもしれません。
走った後に冷たいものを摂りすぎることは、疲労した内臓系に、さらに追い打ちをかけているようなものなのです。

走るほど食べたくなる
夏の落とし穴として、もうひとつお伝えしたいことがあります。
たくさん走ると、当然ながらお腹が空きます。特に夏は走行距離が増えるので、食欲も比例して増える。ここで気を抜くと、お菓子や間食が止まらなくなります。
私の経験上、食べすぎれば、月間400km走っても太ります。
走った分だけ食べていいわけではないというのが、正直なところです。
私が気をつけているのは、お菓子を食べすぎないこと。
走った後にきちんとタンパク質と糖質を摂っておけば、余計な間食への欲求はある程度おさまります。
補給を我慢するのではなく、必要なものを先に食べておく。これが夏の食事のコツだと思っています。

夏に走れる体の作り方
最後に、夏を安全に走るために最も大切なことをお伝えします。
正直なところ、私は暑さそのもので危険を感じたことがほとんどありません。
理由は、5月・6月からしっかり走っているからです。
これは暑熱順化と呼ばれるもので、体が徐々に暑さに適応していく仕組みです。汗をかく能力が高まり、体温調節が上手になっていきます。少しずつ気温が上がっていく時期に走り続けることで、体は自然と夏仕様になっていくのです。
逆に言えば、春をまるまる休んでいて、いきなり真夏に走り出すのが最も危険です。暑さに慣れていない体で炎天下に出れば、一発で熱中症になってもおかしくありません。
もし今、久しぶりに走り始めようとしている方は、無理をせず少しずつ距離を伸ばしてください。最初は歩くところから始めても構いません。体が慣れるまでの数週間は、量より頻度を優先しましょう。
そして来年に向けては、5月・6月の時期に走る習慣を作っておくこと。これが夏の1番の準備になります。
今年の夏、私の練習

参考までに、今年の私の夏の練習をお話しします。11月のつくばマラソンでサブ3を狙うための、土台作りの時期です。
- 7月:1日13〜15kmを目安に、涼しい時間帯を選んで走る
- 8月:1日15km以上に増量
- 週7日、休みなし(ただし強度にはメリハリをつける)
- ペースは追わない。体感で決める
去年までは、朝と夕方に分けて走る二部練習で1日10〜15kmを積んでいました。今年は足づくりが進んだおかげで、1回で15km以上走れるようになっています。この変化自体が、夏の走り込みの成果だと感じています。
夏の目的はただひとつ、長い距離を走ってもヘタらない脚を作ること。筋持久力を高めておけば、秋以降のスピード練習が生きてきます。9月からはフルマラソンを意識したポイント練習を入れていく予定です。
この夏の練習の様子は、サブ3挑戦記でも報告しています。
まとめ|夏が秋を作る
要点をまとめます。
- 夏はペースを捨てて距離を積む。強度は時計ではなく体感で決める
- 走るのは早朝か夜。日陰と水道のあるコースを選ぶ
- 給水は2〜3kmごと。喉が渇く前に、塩分とセットで
- 帽子・サングラス・ワセリン・日焼け止めは必須装備
- 走行前後の体重差を測り、減った分を1〜2時間かけて補給
- 睡眠は7時間以上。冷たいものと間食は控える
- 暑熱順化が最大の安全対策。春から走っておく
- 初心者は距離を減らしてでも、やめないことだけを目標に
夏の走り込みは確かにきついものです。でも、この時期に積み上げた距離が、秋冬のレースで自己ベストという形で返ってきます。私が毎年12月に記録を更新できているのは、7月と8月に最も走っているからだと思っています。
ただし、無理は禁物です。私自身、追い込みすぎて倒れた経験があります。体の声を聞きながら、安全に夏を乗り切ってください。
夏を乗り越えたら、いよいよ秋のレースシーズンです。次のステップはこちらの記事もあわせてどうぞ。

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